【ジャガールクルトを語る】やはりレベルソのムーブメントは「Cal.822」であって欲しい!
ブログ担当者:須川
今回は、ジャガールクルトについて持っている、私の持論を紹介します。
それは、
「レベルソのムーブメントは、Cal.822であって欲しい」
というものです。
↑Cal.822
補足をすると、「レベルソ」はジャガールクルトの代表モデルの名称で、「Cal.822」はジャガールクルト製の手巻ムーブメントの名称(キャリバー名)です。私は、このムーブメントがレベルソに搭載されていることを望んでいるのです。
↑レベルソ
この「レベルソのムーブメントはCal.822であって欲しい」という考えは、もちろん、私の個人的な意見です。しかし、きっと、時計愛好家の方の中には、私と同じ考えの方は少なからずいることでしょう。それを表す、有名なエピソードもあります。それは、2016年、ジャガールクルトがレベルソのラインナップの刷新を行ったことを発端とします。
なんと、レベルソから“手巻モデル”を無くして、“自動巻モデル”に変更したのです。この時に、Cal.822が搭載されなくなりました。それはまでは、「紳士用レベルソ≒手巻式」というイメージだったので、驚いたファンの方も多かったと思います。しかし、現実として、翌年の2017年に、手巻のCal.822を搭載したレベルソは急に復活することになります。
状況から見ても、ジャガールクルトは、手巻レベルソを無くしたことが不評で、すぐに手巻レベルソをラインナップに戻したように見えます。そして、その戻ってきた手巻レベルソに搭載されているムーブメントは、やはり、Cal.822です。
このエピソードから判断しても、やはり、「Cal.822が搭載されるレベルソ」に対する需要は高いのでしょう。
では以降で、私見で、レベルソのムーブメントがCal.822であって欲しい理由を挙げます。
■レベルソのムーブメントがCal.822であって欲しい理由
では、「レベルソのムーブメントがCal.822であって欲しい理由」を紹介します。
<理由①>
・Cal.822は、貴重な“古典的な角型ムーブメントのレイアウトを持つ現行ムーブメント”だから
Cal.822は、1992年に登場したムーブメントですが、その姿は「角型ムーブメントの古典機」そのものです。6時位置に秒針、中央位置に分針(時針)を配置するために、歯車のレイアウトを決め、香箱とテンプを2番車を挟んでやや対角に置くスタイルは、古典機の代表であるパテックフィリップ「Cal.9-90」やIWC「Cal.87」と全く同じです。
Cal.9-90やCal.87は1930年代に登場したムーブメントですので、そのスタイルが“現行ムーブメント”として存在していることに意義があるのです。つまり、“1930年代スタイル”が、2020年に存在しているのです。私は、「この貴重な存在を無くしてはもったいない」と思っています。
これが、「レベルソのムーブメントがCal.822であって欲しい理由」のひとつです。
<理由②>
・レベルソは古典的な時計なので、ムーブメントも古典的であってほしいから
レベルソが誕生したのは、1931年と言われています。つまり、レベルソは、今から約90年前に生れたデザインなのです。アールデコのデザインが多かった時代の時計ですので、今の感覚で見ると、レベルソのデザインは「古典的である」と感じます。そして、レベルソを好きな方の多くは、その古典的なデザインに惹かれています。
私は、「外観が古典的なスタイルであるレベルソには、内部も古典的であって欲しい」と思っています。その思いもあり、私は、古典的な角型ムーブメントのレイアウトをもつCal.822を搭載するレベルソに、高い評価を与えています。
Cal.822は、振動数が21600振動/時のロービート機です。そして、ムーブメントの“受け”の分割は、香箱、2~4番車、ガンギ車、テンプで分けて受けを作っており、IWCのCal.87に近いレイアウトです。また、伝統的なチラネジも残しています。まさに、「昔ながらのムーブメント」です。そのような昔ながらの要素を持ちながら、香箱芯にまで石を設けたり、スピロフィンレギュレーターを採用したりと、上質な作りをしています(※1)。
↑Cal.822のテンプ周り
つまり、「“古典的”な外観のレベルソに、“古典的”で上質なムーブメントが入っている」点が素晴らしいのです。それをCal.822搭載のレベルソは適えているのです。
■最後に
上で挙げた2つの理由で、私は
「レベルソのムーブメントはCal.822であって欲しい」
と、思っています。
そして、具体的にCal.822搭載モデルを挙げるなら、「ビッグレベルソ」「レベルソ・クラシック・ミディアム・スリム」が、その該当モデルです。是非、気になる方は、探してみてください。
また、最後に、誤解のないように、補足をしておきます。
きっと、Cal.822のレベルソのことを知ると、皆さんはCal.822の姿を見たいと思うでしょう。しかし残念ながら、ほとんどのCal.822搭載のレベルソは、裏蓋をシースルーバックにしておらず、Cal.822を見せることはありません。なぜなら、レベルソの裏面は、任意の刻印が入れれるようにしているため、裏面には“金属の面”を設けるからです。
今回のCal.822の画像は、シースルーバック仕様の特別なモデル(西武百貨店モデル)から用意したものですので、ご了承ください。
↑シースルーバックの西武百貨店モデル
※1・・・Cal.822の最新のタイプは、チラネジとスピロフィンレギュレーターを廃して、現代的なフリースプラングに変更しています。
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※オンラインストアリンク
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Source: komehyo
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