ウィークリーオートオリエント25石

2018年12月23日

ORIENT(オリエント)
WEEKLY AUTO ORIENT
(ウィークリーオートオリエント)
25 スイマー
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 この「ウィークリーオートオリエント25石」が登場したのは、1964年(昭和39年)頃と推測されます。当時の国産機械式時計市場は黄金期真っ只中で、国産メーカーこぞって多種多様な製品展開をしていました。また1964年にはアジア初となる東京オリンピックが開催されたことも大きく、国産機械式時計に於いても注目すべき年代となりました。技術の進歩によることで、防水性、日付、曜日、貴石数、自動巻、精度、システム、どれを取っても国産機の向上が見られ、国産時計史に於いてとても魅力的な時期でもありました。
 ここで紹介する「ウィークリーオートオリエント25石」は、同時期に登場する「グランプリ100(Cal.661)」こと、貴石100石を搭載する驚異的な製品の仲間です。25石の100石仕様の製品と捉えていただきたく思います。因みに「グランプリ100」とせずに、「ウィークリーオートオリエント100石」という製品も存在しております。「グランプリ100」と同じムーブを搭載していますので、文字板違いといったところでしょうか。
 この25石の「ウィークリーオートオリエント(Cal.660)」ですが、元となる製品が「オリンピアオリエントウィークリー」というL型キャリバーの手巻製品です。この製品にペラトン式の自動巻機構を搭載したムーブメントとなります。また違った見方をするなれば、「カレンダーオートオリエント(Cal.670)」に曜日機構を付加したムーブとなります。このように系統機としての派生が分かれてきます。
 L型ペラトン式自動巻機構のカレンダー機として、「カレンダーオートオリエント(Cal.670)」から「グランプリ64(Cal.676)」が67系となります。同じくウィークデーター機として「ウィークリーオートオリエント(Cal.660)」から「グランプリ100(Cal.661)」が66系となります。このようにオリエントでキャリバーナンバーが設けられ、系統機としての棲み分けが生じたことも注目すべき点であり、興味深い時期でもあるのです。それまでのオリエント機にはキャリバーナンバーが無かったのも特徴で、T型やN型やL型といったざっくりした感じの展開でした。やはりオリンピックも控える時期に入り、世界を視野にいれるべく襟元を正した展開へと突入したのでしょう。ここでの「ウィークリーオートオリエント」と呼称される製品には25石と100石がありますが、貴石数が圧倒的な差もありますのでキャリバーナンバーは違います。一方同時期の親戚にあたる「カレンダーオートオリエント」(オリンピア表記のない製品)では、21石と30石ともにキャリバーナンバーは同じ670となっています。因みに後続機としてAAAの付いた製品もありますが、それは系統ムーブが別機になりますのでここでは割愛しております。この頃のオリエントも先々の展開がどうなるか模索中だったこともあり、66系67系共にこれ以上の発展はなく貴石オリンピックにて派手な勝負をして終焉を迎えました。
 外装ですが、この製品には非防水ステンレス、非防水金張りが確認されています。ここで紹介する製品は、ステンレスの防水スイマー仕様です。裏蓋にはトビウオマークがあり、スナップバック仕様となっております。文字板ですが、立派なインデックスが目につきオリエントらしさが出ております。そして、この製品の特徴の一つでもある12時下に表記されている回転マークです。おそらく、見た目にもオリンピアオリエントウィークリーと同じなので、自動巻機構が付加していることを見た目からでも判断できるようにと、分かりやすくこのような回転マークを入れたのではないかと推測します。お風呂の栓を抜いた時のような渦です。
 この製品に搭載している「Cal.660」は、同機種のダイバーズウォッチこと、「ウィークリーオートオリエントキングダイバー」にも搭載されております。確認できるところではこの2機種のみに「Cal.660」が搭載されているようです。
 この製品の当時の価格ですが、金張り非防水ケースで8800円、キングダイバーで12500円です。そしてスイマーケースははっきりとわかりませんが、おそらく9800円から10500円位の価格だったのではないかと推測されます。
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1964(昭和39年)頃登場
・手巻+自動巻
・防水(古い為非防水
・プラスチック風防
Cal.660
・25石 
・毎時18000振動
13型ムーブメント 
R型耐震装置
・日曜表記(ウィークデーター)
・スナップバック

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Source: hino_matico