【中古品マーケットの動き】今、売れている高級時計を語る!

ブログ担当者:須川

 

■中古品マーケットの動き

 

今回は、「中古マーケットの動き」について、私の感じていることを話したいと思います。是非、最後までご覧ください。

 

現在、高級時計は、セカンドマーケット(中古市場)での売り買いが活発になっています

↑高級時計は中古市場が活発

 

では、なぜ活発な状態にあるのでしょうか?

 

これは、「高級時計が以前よりも根付いてきたから」という理由もありますが、同時に、「“資産”として存在感を増した」という理由もあるでしょう。

 

つまり、高級時計は「“アイテムとしての魅力”で得ている人気」と「“資産性の高さ”で得いている人気」があるのです。そのため、私が店舗での状況をチェックすると、かなり両極端な傾向が見られます。

 

例えば、“買取”であれば「資産性の高いもの」がよく持ち込まれますので、“買取”の需要としては「資産性の高いもの」となります。これらは資産性が高いので、「高価格帯」という特徴があります。

↑買取需要は「資産性の高いもの」

※画像:オーデマピゲ/ロイヤルオーク

 

しかし、“中古販売”に関しての売れ筋は、「資産性の高いもの」ではありません。むしろ、“中古販売”の売れ筋としては、「アイテムとして魅力のあるもの」です。その魅力には「お買い得感」という要素も含まれますので、それらは「購入しやすい価格帯」という特徴があります。

↑中古販売需要は「アイテムとして魅力のあるもの」

※画像:オメガ/シーマスターダイバー300M

 

これらの傾向を分析します。買取については、「新品を購入→価値が高いタイミングで売却」という“資産運用”的な買取が増えているからだと思われます。

 

そして、中古販売については、昔から変わらず「少しでもお得に良いものを入手したい」という目的で購入する方が多い印象です。これは、“中古品”を選択する方の心理としては、当然のものでしょう。ただし、昔と違うのは、「情報を集め、吟味してから」という発想が増えたことです。しっかりと、“今の自分に合った”ものを探すことを大切にしているように感じます。

 

これが、私が感じる中古マーケットの動きです。もちろん、ここで説明したものは、あくまで“大きな流れ”であり、本来の「必要な方に使ってもらいたい」というリレーユース的な買取、そして、“買い替え”のための買取もまだまだありますので、ご安心ください。

 

 

 

 

 

 

■今、売れている高級時計

 

次に、「今、売れている高級時計」を紹介します。もちろん、“売れるもの”を挙げると、その筆頭は「ロレックスのスポーツモデル」です。しかし、これは、時代を問わず売れ続ける“当たり前”のカテゴリーで、今回は割愛します。

 

むしろ、今回紹介するのは、「今、よく売れるもの=トレンド」です。それは、私が当社の中古販売を分析して、あぶり出したものです。

 

先に、傾向をまとめておくと、今よく売れている高級時計は、以下の要素があります。

 

 

 

<今、よく売れている高級時計の要素>

 

①ヴィンテージライクなもの

 

②アイコニックなもの

 

③お買い得感があるもの

 

 

 

では、具体的なモデルを挙げて、紹介します。

 

 

 

<今、よく売れている高級時計(中古販売)>

 

①男女問わず売れているモデル:

 

・ロレックス「デイトジャスト(5桁)」

現在、男女ともに、「デイトジャスト」が売れています。特に、1980年代末から2000年代初頭まで生産されていた“5桁”の型式番号を持つデイトジャストは人気です。これは、スポーツモデルに比べるとお買い得感がある点、そして、出回っている数も多いので購入チャンスが多い点が理由でしょう。もちろん、1945年からの伝統モデルですので、ロレックスのアイコニックなモデルである点も、消費者を惹きつけるのでしょう。

 

※このモデルが売れている要素

→アイコニック、お買い得感

 

 

 

②男性によく売れているモデル:

 

・オメガ「シーマスターダイバー300M」

現在、実際の店頭販売で、男性に支持されているモデルのひとつが、オメガの現行モデル「シーマスターダイバー300M」です。このモデルがヒットしていることはメディアでもたびたび取り上げられており、「最新スペックでありながら、リーズナブルな価格設定がされている」ことが人気の理由だと思います。もちろん、シーマスターはオメガの代表モデルですので、「アイコニックなモデルである」な点も、人気の理由になっています。

 

※このモデルが売れている要素

→アイコニック、お買い得感

 

 

 

・チューダー「ブラックベイ・フィフティエイト」

チューダーの「ブラックベイフィフティエイト」も、店頭販売で多くの方に支持されているモデルです。こちらも、「最新スペックでありながら、リーズナブルな価格設定がされている」ことが人気の理由です。そして、チューダーが“ロレックスの弟ブランド”である点も、人気の理由になっています。また、このモデルはヴィンテージモデルに範をとったモデルですので、ヴィンテージデザインである点も、今のトレンドに合っています。

 

※このモデルが売れている要素

→ヴィンテージライク、お買い得感

 

 

 

・ウブロ「クラシックフュージョン」

昨今、ウブロはサッカーなどスポーツ分野のスポンサードにより、知名度を高めています。そして、フラッグシップの「ビッグバン」は大ヒット作として認知されています。ビッグバンの人気を受けて、エントリーモデルの「クラシックフュージョン」も、ヒットモデルになりました。実は、クラシックフュージョンには、ビッグバンより優位な点があります。それは、エントリーモデルなので、価格面で購入しやすい点があります。そして、“迫力のサイズ感”を売りにするビッグバンとは異なり、“抑えたサイズ感”をもつクラシックフュージョンは、細身の男性にマッチしやすいでしょう。

 

※このモデルが売れている要素

→アイコニック、お買い得感

 

 

 

 

・カシオ「G-SHOCKオリジン」

最近は、カシオのG-SHOCKにも高額モデルが登場しており、その中でも、メタル素材の“スピードモデル”「オリジン」がヒットしています。最初は、ゴールドカラーとシルバーカラーのモデルが話題になりましたが、現在は、さまざまなカラーが登場しています。よく売れている理由は、個性的なカラーリングがファッションアイテムとしてウケていることもありますが、1980年代の“最初のG-SHOCKブーム”を体験している世代が、アイコンモデルのリニューアルに反応している点もあるでしょう。また、G-SHOCKとしては高額モデルですが、舶来の高級時計と比較するとリーズナブルに感じるので、消費者としては購入しやすいのでしょう。

 

※このモデルが売れている要素

→アイコニック、お買い得感

 

 

 

②女性によく売れているモデル:

 

・シャネル「プルミエール」「J12」

現在、実際の店頭販売で、女性に支持されている高級時計ブランドのひとつは、シャネルです。特に、代表モデルの「プルミエール」と「J12」は、売場でもよく売れる人気モデルです。どちらも、一般的な腕時計とは違うデザインをもっており、で一目でシャネルとわかるアイコニックなモデルす。特に、ヴィンテージシャネルの人気を受けて、ここ数年で、プルミエール(1986年登場)の人気が高まっています。購入しやすい価格であることも手伝って、プルミエールは“再ヒット”と言える状況になっています。

 

※このモデルが売れている要素

→ヴィンテージライク、アイコニック、お買い得感

 

 

 

・カルティエ「マストタンク」「タンクフランセーズ」「タンクソロ」

元々、女性から高い支持を得ていた、カルティエの「タンク」ですが、最近はさらに人気が高まっています。定番の「タンクフランセーズ」、エントリーモデルの「タンクソロ」の人気も根強い状況ですが、昨今は、特に「マストタンク」の人気が上昇しています。マストタンクが人気になっている理由は、タンクの中でも1917年から続く伝統的なデザインである点、そして、エントリープライスである点が、大きな要素でしょう。

 

※このモデルが売れている要素

→ヴィンテージライク、アイコニック、お買い得感

 

 

 

・エルメス「クリッパー」

女性用高級腕時計の定番のひとつである、エルメスの「クリッパー」。もちろん、以前から人気のあるモデルですが、最近はますます世間の反応が良くなった感があります。その人気の前提には、クリッパーが「エルメスの代表作である」という点があります。そして、特に昨今は、高級時計全体の相場が上昇する中で、エントリー価格帯のクリッパーに人気が集まっているのでしょう。

 

※このモデルが売れている要素

→アイコニック、お買い得感

 

 

 

 

 

 

■まとめ

 

今回は、「中古マーケットの動き」、そして、「今売れている高級時計」について、私なりの分析で紹介しました。

 

その中で、一番感じることは、

 

現在、高級時計を購入する際、“金額に糸目をつけないような買い方”は少ない

 

ということです。

 

例えば、“高価格帯”を狙う方は「資産性」を気にして購入しますし、“売れ筋”を狙う方は「お買い得感」「コストパフォーマンス」を気にしていると感じます。つまり、多くの方が、ある程度の“堅実性”という要素を重視して、高級時計を選んでいるのです。そして、実際に、時計メーカーもそのニーズを汲んで新製品を作っています。これが、今の高級時計の世界の状況だと感じます。

 

 

 

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Source: komehyo